はじめに
さて、産後2,3か月とは赤ちゃんとの生活のリズムがなんとなく分かってきた頃。
里帰り出産からの帰宅やパパの育休も明け、日中は赤ちゃんと二人きりですごすママも多いかと思います。
だけど新生児だった時よりも少し落ち着いてきているはずなのに、なぜか身体がだるい。
育児の悩みは尽きないのに、周りからは「もう慣れたでしょ」と見られ、モヤモヤする。
そう感じるのは私だけ?と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

それはあなただけではありません。こころと身体のメカニズムの変化が原因です。
では、今回は身体のなかで何が起こっているのか、またその対策やサポートについてお話いたします!
とても長くなったので、今回は2回に分けてお伝えします。
セルフケアや相談の方法については、①②とも、同じ情報を記載します。

産後2~3か月ママのよくあるお悩み
身体のお悩み
- 疲れやすい
産後のハイテンションが通常モードに戻る時期です。
今まで通りの生活なのに疲れやすくなったのは、疲れを自覚できるようになっただけです。
逆に言うと、これまでがスーパーガールのようにすごいパワーを発揮していたということです。
それも妊娠出産に関する、女性の身体のミラクルですね。
疲れを感じなかっただけで、身体には負担を強いていたということなのです。
産後の身体が復活するには、最低でも半年はかかります。

- 抜け毛
ホルモンのせいで、抜け毛が多くなります。抜け毛に気づかなくても、後に新しく生えてきた短い髪の毛が目立つようになって気が付く人もいます。(私もそのタイプでした)
おでこの生え際が抜けて、ライオンのように逆立つタイプの方もいれば、頭頂部に短い毛が集中するタイプの方もいらっしゃいます。
帽子、バンダナ、ヘアバンドなどで対策を取られる方が多いです。

- 肩こり、腰痛
赤ちゃんも日々成長し、重くなっていきます。抱っこ紐でお出かけする機会も増える時期ですし、授乳も一日5~6回ありますので、肩こり・腰痛がひどくなってきます。
妊娠中はどうしても反り腰になってしまい、それが治らないまま産後は抱っこの姿勢でスウェイバックという状態に移行することが多く見られます。

- 尿漏れ
妊娠・出産で、骨盤底筋群は伸びきっています。
骨盤底筋群とは、内臓を支えてくれる筋肉です。尿道口、膣、校門の周りに位置するので、産後は伸びていることによって尿漏れが起こってしまいます。
立ったり座っているだけでも、重力で内臓の重みで骨盤底筋群には負担がかかります。
トレーニングは後述しますが、産後の『休む』ということは、座ってゆっくりすることではなく、横になることだということは心に留めていてくださいね。
心のお悩み
- 孤独・孤立感
日中を赤ちゃんと二人きりで過ごすことが多くなり、大人との会話が少なることで孤独感は増してきます。
ついついSNSでキラキラした投稿を見てさらに落ち込んでしまう方も珍しくありません。

ご自身のペースで、赤ちゃん連れで参加できるクラスに参加されるのもお勧めです。
他のママ達とのおしゃべりで気分転換になりますし、地域の育児情報は、地域のママ友から得ることもできますし、メリットはたくさんあります。
*当院も、ひなたぼっこ助産院にて、赤ちゃんと英語手遊び歌を開催しています。日程はInstagramで随時お知らせしています。

- 不安感
1か月健診で順調だと言われても、ちゃんと体重は増えているのか、これで合っているのだろうかとモヤモヤして毎日を過ごしている方もたくさんいらっしゃいます。
次の健診は3,4か月に行われる自治体がほとんどです。
産院によっては、その途中で健診を設けているところもありますが、自費になります。
スッキリしない身体、育児の孤独感が重なってしまうと不安は募ります。

おうちでできる!簡単セルフケア
- ストレッチ
筋肉を伸ばして血行をよくすることで、全身状態が良くなることが期待されます。肩こり・腰痛対策になりますし、気分もスッキリします。
- ドローイン、キーゲル体操で骨盤底筋群と腹直筋回復を目指す!
ドローインもキーゲル体操も、深呼吸をします。深呼吸をすることで自律神経が整い、リラックスすることができます。腹筋も骨盤底筋群も、妊娠出産でかなり大きい負担がかかっていた筋肉です。
この2つの筋トレで、妊娠前の身体に戻りやすくなります。
当院でもトレーニングの方法も訪問で一緒に実践してお伝えすることができます。→お問合せフォーム
- 入浴
産後1ヵ月のママの健診で、順調だと言われたら、湯船に浸かる入浴の許可が出たも同然です。
たまにはゆっくりお湯に浸かってリラックスしましょう。足湯でも効果があります。
身体が温まると、母乳の分泌も良くなることが期待できます。

高槻市の産後ケア訪問のご案内
高槻市では、生後4か月まで、助産師がご自宅に訪問する『産後ケア訪問』があります。
赤ちゃんの体重測定を始め、すこやかに成長しているか全身のチェックを行い、日々のモヤモヤに対して、一緒に解決策を考えます。
授乳についてのお悩みも伺います。
ママの心と身体の健康についてのお話も聞き、その状況に応じた育児支援サービスのご紹介をいたします。
費用は無料です。

お申込みは、母子健康手帳の別冊(クーポンの冊子)の裏表紙の二次元バーコードより市のサイトに飛ぶことができます。
産後ケア訪問に従事している助産師に限りますが、指名も可能です。このWebページでご興味を持っていただけましたら、『助産院木かげの松下に』とご入力いただければ、わたくしが喜んで伺いますね!
もっとサポートが欲しい!
里帰り分娩で、住民票は別の自治体の場合は、里帰り先の育児支援サービスは受けることは難しいかと思われます。
産後の訪問の場合、居住地の保健センターから里帰り先の保健センターに訪問の委託をすることはできる場合もあります。手続きに時間がかかるので、住民票のある保健センターにご相談ください。
その場合は、お産をした産院や、地域の助産院でご相談いただけます。
出張専門の助産院であれば、お家に伺うので、外出の準備をする必要はなく、リラックスしてお話していただくことができます。また、ケアの内容によっては育児を手伝ってくれるおじいちゃんおばあちゃんにも同席していただくこともできます。
当院も母乳外来、育児相談、赤ちゃんの一時お預かりも承っています。

さいごに
いかがでしたでしょうか。
少しつらいな、と思う状況も、『身体のしくみ』と捉えると、すんなり受け入れることができたり、自分をもっと大切にしなきゃというきっかけになれば幸いです。
次回は、『赤ちゃんのお悩み』『生活のお悩み』についてお話します。
近日中にUPしますね!
待てない!すぐに知りたい!という方は、ご遠慮なくお問合せください。