「産後の妻が変わった?」それには理由がある!~パパに知ってほしい妻のココロと身体のお話

はじめに~その涙やイライラには理由がある

今回は『産後クライシス』についてのお話です。

「産後の妻が別人のようだ」と感じたり、周りの先輩や父親から「気をつけろよ」と言われた経験はありませんか?

それは事実です。

しかしそれは性格が変わった訳でもなく、あなたの人格否定をしている訳ではありません。

『地雷』と思ってそろーっと生活をするよりも、そのメカニズムを知って、どんな変化が起こっているのか、その理由は何かと理解できると、気分はぐんと楽になります。

赤ちゃんを抱く夫妻。疑問を持っている

お互いの変化を知ること。それによって『思いやり』を持つことができます。

秋色のドット

妊娠期から始まっている『母としての心の変化』

妊娠が分かると、自分の身体もどんどん変化していくので、女性は自然に親としての自覚を持つことができます。

胎動が分かるまでは「ちゃんと生きているのかな」と不安な気持ちで、胎動が分かると愛おしい気持ちになります。

また、胎動が弱いと感じてしまうと不安で押しつぶされそうな気分になるのです。

そんな24時間、とつきとおか経験して出産に至ります。

体調不良の妊婦さん

夫も、妊婦健診に同行したり、両親学級への参加、赤ちゃんに話しかけるなど熱心に妊娠に向き合っているかたもたくさんいらっしゃいます。

しかし離れている時はお仕事に集中しているので、四六時中胎児について考えることは不可能だと思います。

何より、男性にはホルモンの変化も、大きくなるお腹や、それによる生活への影響がないので、妊娠期間であっても通常通り。同じスピードで父性は育つことはできません。

どうしても差は生じてしまいますが、これは誰も悪くはなく、仕方のないことです。

しかし多くの妻は、『いつまでも変わらない夫』にもどかしさを抱いています。

⇒その『差』を少しでも埋めるには・・・妻の妊娠が分かったら読むパパ1年生のガイド

産後の身体のダメージとは

産後は、『交通事故レベルのダメージを受けている』と言われていますが、実際に、妊娠前の状態に戻るには少なくとも半年はかかります。

産後の痛み

出産直後は、多くの痛みを抱えている産婦さんはたくさんいらっしゃいます。

その痛みの種類とは

  • 後陣痛
  • 会陰縫合や帝王切開の傷
  • 乳房の張りの痛み
  • 乳頭の痛み
  • 抱っこや授乳による肩こり、背部痛
  • 妊娠中に起こった反り腰による腰痛
  • 分娩の影響による恥骨痛
痛みのある女性

常に痛みがある状態では、周りから見ると機嫌が悪いように見えてしまいますね。

睡眠不足の影響

赤ちゃんにとっては昼も夜も関係なく、泣いたらお世話をしなければなりません。

そのため、新生児の時は授乳のため2.3時間おきに起きることになり、まとまった睡眠をとることは不可能に近い状態です。

また、うまく寝てくれない夜は、1時間後にまた泣いてしまうこともあるでしょう。

睡眠不足は、脳の思考・判断・感情のコントロールをつかさどる前頭葉の機能を低下させます。

それだけでも産後の女性が他者を気遣う余裕がないことに納得がいきますね。

ショックをうける男性

ホルモンの影響で感情はジェットコースター

産後は大きくホルモンバランスが変わります。

妊娠を保つためのホルモンが減り、母乳を出すためのホルモンの分泌が亢進されます。

ホルモンとは、プールに1滴落とすだけでも心に影響があると言われ、また生涯で急激なホルモンの変化を経験するのは、産後と死亡するときだけとも言われています。

そのため、感情が不安定になり、自らの意思でコントロールすることはできなくなります。自然現象なのです。

また、母乳を押し出すホルモンはいわゆる『産後のガルガル期』を生み出し、誰が敵か味方かと判別し、本能で敵とみなされると自分と子どもを守るために攻撃的になります。

その代わり、味方と認定されると、とてもよい信頼関係を築くことができます。

赤ちゃんを抱く男性と女性

産後特有の心のゆらぎ

さて、産後は心と身体に非常に余裕がなく、普段と違うことはご理解いただけたでしょうか。

そこに慣れない育児が加わると、またどんな気持ちになるのでしょう。

嬉しくて、愛おしいと思う反面、

  • 赤ちゃんがちゃんと息をしているか不安
  • このまま生かし続けなきゃいけないプレッシャー
  • 母乳を上手く吸ってくれないと、自分を否定されているようで辛い
  • 24時間つきっきりで、自分の時間がない
  • 正解か分からないので、常にモヤモヤしている
  • 外に出ることができないので、気分転換ができず、ふさぎ込む

という気持ちが入り混じります。

こういった、ネガティブな感情が上回ると、産後うつに移行してしまいます。

秋色のドット

どうして夫婦間で通じ合えないのか

夫は夫で、このようなプレッシャーがのしかかります。

  • 家計を支えなければならない
  • 父親として仕事を頑張らないといけない
  • 妻のサポートをしなければならない

お互いが『自分のほうが頑張っている』と思うと、相手からの思いやりを期待してしまいますよね。

『家にいるときくらいゆっくりしたい』と考えるのは自然なことですが、子どもが生まれると、話は別です。

また、父親の育児休暇で、しばらくは育児に専念できるとしても、どうしてもひずみは生じてしまいます。

その原因は、先ほどお伝えしました、妊娠期からつみ重なってきた『差』なのです。

例えば、赤ちゃんが泣き止まない。お腹も空いていない、おむつも変えた。その時の夫婦の会話です。

妻

病気じゃないのかな、このまま息が止まってしまったらどうしよう

夫

気にしすぎだよ。そのうち疲れて寝てしまうよ

これは、本当によくある会話です。

会話は成り立っているでしょうか?このままで、明日も夫婦は寄り添って育児ができるのでしょうか?

パパにはパパの役割!家族でハッピーになるヒント

さて、『産後の妻が変わってしまうメカニズム』はお分かりいただけましたでしょうか。

仕方がないこと、と割り切ってしまえば気分も楽になりますね。

同時に、パパとしての役割もご理解いただけたのでは!?と思います。

そうです、ハッピーな家庭を作るには、ママの笑顔が不可欠。ママの笑顔にはパパが不可欠なんです。

次のことを試してみてください。

  • 妻の睡眠時間の確保
  • 妻が休んでいる間は赤ちゃんのお世話、家事をする
  • 今できること、やってほしいことはないか尋ねる
  • ありがとうとねぎらいの言葉をかける
  • チームの一員としての自覚をもち、自分の仕事として家事育児を分担する
  • 妻の機嫌が悪い日は、『限界がきているのかも』と捉える

さいごに

いかがでしたでしょうか。

厚生労働省のデータでは、離婚するカップルの4割近くが、産後2年以内に離婚を決意されているようです。

これは、産後のチーム力が今後の夫婦関係を左右していると考えられないでしょうか。

どんなご夫婦も、『ずっとそばで、笑っていてほしい』と思ってご結婚なさったと思います。

そんな素敵な初心を忘れることなく、幸せな家庭を築いていただきたいのが、助産師としての願いです。

ハートと祈る女性

少しでも参考にしていただければ幸いです。

助産院木かげは、ご自宅訪問スタイルで、妊娠期からの夫婦のサポート(My助産師コース)があります。

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