もくじ
はじめに~おめでとうございます!戸惑う気持ちはパパの第一歩
妊娠中の妻の心と身体の変化、赤ちゃんの成長
妊娠初期:~15週
妊娠中期:16週~27週
妊娠後期:28週~
何ができる?今日からできる喜ばれるサポート
他人事じゃない。一緒に知っておくと妻も安心なこと
絶対ダメ!妊娠中の夫の行動NG集
こんな時はどうしたらいい?…夫からのFAQ
妊娠期を一緒に楽しむために
最後に~夫婦で過ごす特別な10ヵ月
はじめに~おめでとうございます!戸惑う気持ちはパパの第一歩
まずは・・・
おめでとうございます!
新しい命を授かった歓びとワクワクする気持ちと同時に、「これからどうなるのか」と戸惑いや不安な気持ちもあるかもしれません。
それはとても自然なこと。
むしろ父親としての自覚が生まれている証拠ですね!

今回の記事は、特別な予備知識はなくても大丈夫、今日からできる『妊婦の妻を支える夫』のガイドです。
ここで妊娠中の妻の変化、自分はそれにどう寄り添えばいいのかのヒントを見つけることができます。
では、順を追ってみていきましょう。
妊娠中の妻の心と身体の変化、赤ちゃんの成長
お腹の中の赤ちゃんはホルモンの働きで成長します。ホルモンバランスの変化で、妊婦さんは心や体に負担を強いられます。
心や体の不調には個人差があり、【気の持ちよう】や【根性】でなんとかなるものではありません。
そして変化し続ける10ヵ月。このことを念頭においていてください。
さて、それぞれの妊娠期間にどんな体の変化が起こるのでしょうか。

妊娠初期:~15週
- つわり:食べづわりやよだれづわりなど症状は人によってさまざま。ほとんどない人も稀にいます。
- 気持ちの浮き沈み:ホルモンや体調不良の影響、母になるプレッシャーが原因だったりします。
- 眠気や倦怠感:ホルモンの影響と、体が妊娠に適応しようとするために起こります。
普通に仕事を続けられる人もいますが、起き上がることもままならない人もいます。

赤ちゃんの重さは50~100g足らずまで成長し、身体は脳や神経系から徐々に作られていきます。
妊娠中期:16週~27週
- 胃もたれ、便秘:大きくなってきた子宮で胃や腸が圧迫されます。また、ホルモンで消化管の動きが鈍くなります。
- 腰痛:お腹が大きくなるので、バランスをとるために普段と違った姿勢になります。
- 動きが緩慢になる:ふくらんできた大切なお腹を守るべく、慎重に動くようになります。
比較的安定している時期ではありますが、お腹が張りやすい人もいますし、ホルモンの影響で不快な症状が出てきます。
動きやすいこのうちに、赤ちゃんのグッズやお部屋の準備をしておきましょう。


妊娠27週くらいの赤ちゃんの体重は約1キロ、身長は30㎝を超えます。まばたき、しゃっくり、おしゃぶり、呼吸の練習をしています。目まぐるしい変化ですね!
妊娠後期:28週~
- 睡眠不足:胎動が激しくなったり、腰痛でうまく眠れないようになってきます。寝返りも苦しいことも。
- さらなる胃もたれ:胃が圧迫され、一度にたくさん食べられなくなります。
- 頻尿:子宮が膀胱を圧迫するため、トイレが近くなります。
- お腹の張り:生理的にお腹が張る人もいます。
赤ちゃんはどんどん大きくなりますし、身体が出産に向けた準備を始めます。
普段と変わらないように見えていても、家事の一つ一つがやりづらくなっています。

産休に入っても『楽をしている』ということは決してありません。
赤ちゃんは予定日近くなると3キロ前後まで成長。妊婦さんの体重は胎盤、大きくなった子宮、増えた血液の重さがプラスされます。

何ができる?今日からできる喜ばれるサポート
- 一緒に買い物、荷物持ち:重いものは積極的に持ちましょう!
- 家事:妻は『24時間自分達の子どもを胎内で育てる』という大きな任務中。休日も休憩時間もありません。せめて自分のことは自分でできるように!産後に備えて家事の練習をしておくとさらにGood!
- 会話や話し合いの習慣をつける:普段から今日あった出来事などを話し合う習慣を作ることで、家族力が高まります。夫婦が一枚岩でいること。この先の人生、こんな心強いことはありません。
- 妊婦健診・パパママ教室の日程把握:有給休暇や時短、フレックスなどを利用して、参加できるか調整してみましょう。


妻の身体をいたわる夫は、いつまでも愛されて大切にされるでしょう。
子どもが生まれると、自然と家庭の中心は母親になります。母親が笑顔でいることが家庭円満の秘訣なのです。
他人事じゃない。一緒に知っておくと妻も安心なこと
妊娠中は様々なアジェンダがありますね。夫も把握することで、夫婦の信頼関係は固まります。
- 妊婦健診のスケジュール
- かかりつけ医など、緊急時の連絡先
- 産院への移動手段
- 自然災害時の対策→『助産師が伝える災害対策①』(当院ブログ、新しいタブが開きます)
- 里帰り出産のメリット・デメリット→『里帰り出産する?しない?後悔しない選び方』

絶対ダメ!妊娠中の夫の行動NG集
妊娠期には思いもよらない地雷がある・・そんな風に感じているかも知れませんね。
しかし、その地雷とはただ一つ。『妻に寄り添っていない』。
今一度、「自分は妻に寄り添えているのか」と自分に問いかけてみましょう。

- 自分の母親や姉妹、同僚など身近な女性と比べる
- 妻の訴えを軽視する
- 妻の体調が思わしくない時の飲酒→緊急時に病院に連れていくことが難しくなります!
- 「自分も仕事で疲れている」と比較で返す
- 産休中は専業主婦とみなし、完璧な家事を求める
- 「妊娠は病気ではない」を曲解する→病気ではないから薬で治療ができないのです。
- 妻の体調や意志を無視して性行為を求める、断られると不機嫌になる
自らの身体を張って、誰の子どもを宿してくれているのか心に留めておくことで、家族としてのチーム力がアップします!
こんな時はどうしたらいい?…夫からのFAQ
ここまでくると、何が大事かということは自ずと分かってくるでしょう。
しかし、これで日々、万事解決とはいかないのが人生です。
よく聞くお声を紹介します。

Q:仕事が忙しいのですが、できることはありますか?
A:妻を助けたくても時間がなくてできないというもどかしい気持ちですね。
しかし、日々の『小さないたわり』は、ちゃんと妻には伝わります。
健診に一緒に行けなくても、「今日はどうだった?」とメッセージしてみてはいかがでしょうか。
「家事は休みの日にするから任せておいて」という言葉は、普段通り身体が動かない妻の罪悪感も払拭することができますよ!

Q:妻がイライラしていると、自分が責められている気がする…
A:妊娠中の体調や気分の変調は、主にホルモンの影響です。人はそれをコントロールすることはできません。
したがって、誰も悪くないのです。そしてよい解決策も見つからない場合もよくあります。
「辛いね」「毎日がんばって赤ちゃんを育ててくれているね」「ありがとう」など、寄り添った魔法の言葉がお互いの緊張を和らげることができます。

Q:お腹に話しかけるのは恥ずかしい。胎教は意味があるの?
A:お腹の中の赤ちゃんは耳が聞こえます。お腹の外からの振動も伝わります。
夫が話しかけたり、お腹に手を置くこと(=スキンシップ)によって、妻が大きな安心感に包まれ、リラックスすることができます。
母体が出すリラックスホルモンは、もちろん赤ちゃんにも影響します。夫からの胎教は妻と子を同時に幸せにすることができるのですよ!


妊娠期を一緒に楽しむために
一緒に楽しむには、同じ体験をすることです。例えば・・・
- 妊婦健診や胎児エコーに同行、エコーの写真を見る
- 一緒にエクササイズやお散歩
- 名前を考える
- パパママ教室の参加
- 育児グッズをそろえる、お部屋の準備→『赤ちゃんの安全な環境について』参照。別タブがひらきます。
- 育休の取り方や、生まれてからの家事の分担の相談
- バースプランを一緒に考えたり、母子健康手帳に赤ちゃんや妻への気持ちを記録しておく

いろいろできますね!
最後に~夫婦で過ごす特別な10ヵ月
妊娠出産は一生に何度もない、家族の大切なイベントです。そして、必ず終わりがあるのです。(育児は別ですよ!)
夫の言葉や態度で、妊娠中の妻は大きな安心感を得たり、勇気をもって前向きに出産に臨むことができます。
お互いを思いやり、お腹に宿る小さな命をいつくしみながら一日一日を過ごされることを祈っております。

助産院木かげでは、妊娠中からご家族のサポートをするサブスクリプション型サービス、『My助産師コース』があります。(新しいタブが開きます)お気軽にお問合せください。
パパへの沐浴指導の様子です。
