夫もチームの一員!~「いのち」と向き合う立ち合い分娩の本当の意味

はじめに

新しく迎えるいのちを夫婦で迎える。とても素晴らしいことです。

しかし、『血が苦手なので怖い』『自分に何ができるのかわからない』という男性の声も実際によく聞きます。

何度目であろうと、出産に挑むことは、女性には不安が伴うものですが、男性もそう思うのは当然です。

今回は、夫が立ち会う分娩の意義、心と身体に及ぼす影響、どんなサポートを期待されているのかをお伝えします。

お腹の中の赤ちゃん

夫婦でごゆるりと読んでくださいね!

立ち合い分娩とは

その名の通り、産婦さんのご家族がその分娩に立ち合うことです。

多くの場合は夫や実母ですが、この記事では夫の立ち合い分娩についてお話します。

生まれる瞬間だけ夫を分娩室に招き入れることは稀であり、分娩の施設にもよりますが、陣痛の時間も共に過ごすことになります。

例えば、前期破水で入院になったが、陣痛がない場合はご家族に一旦お帰りになっていただくことはよくあります。

秋色のドット

立ち合い分娩の意義

分娩に立ち合うということは、妻の身体・赤ちゃんの命と向き合うということです。

そこで得られるメリットは、

  • 妻の安心感につながる
  • 夫も主体的に取り組むことで、夫婦の絆が深まる
  • 子どもの誕生を目にすることで父性が育ちやすく、育児に参加しやすくなる
  • 分娩時の過程を知ることで、妻の身体への理解が深まる

などが挙げられます。

夫婦のチームワークによって、双方にとってとても満足のいくお産になります。

分娩中の妻にできる最高の夫のサポート

  • 呼吸のサポート、安心できる声かけ
  • 腰をさする、手を握る
  • 楽な体勢をとったり、体位変換のサポート
  • 飲み物や食べ物摂取のサポート

というのが、一般的によく目にする夫の役割でしょう。

しかし一番安心できる最高のサポートは、夫の存在です。

ガッツポーズの父親

『分娩を自分事として一緒に真剣に取り組んでいる夫の姿勢』が、妻を勇気づける一番のサポートなのです。

何を準備すればいい?

立ち合い分娩に向けての心がまえ

まず、夫は『分娩時に夫はなにも出来ない』という考えを捨てる必要があります。

何をすればよいのか、と考える前に、自分が立ち会う意味を知ることで、おのずと見えてくるものもあります。

悩んでいる夫婦

たまに女性側にも、自分の親世代やご年配の方から耳にしたかもしれない、『分娩時に夫は役に立たない』という考え方も捨てる必要はあります。

残念ながら、私が新人だった四半世紀前にはそういう風潮があったので、今もその印象を強く持っている方もいらっしゃるでしょう。

妻の方は、なぜ夫が『立ち会い分娩時がしたい』と思っているのか、その想いを尊重すること、夫と共に乗り越えようと切り替えることで、分娩時における夫のポジションが確立されるのです。

事前に話し合っておくこと

  • 血液が苦手かどうか

多くの施設では産婦さんの頭側で立ち合い分娩をしますが、それでも夫が気分不良を起こしてしまうこともあります。少しの血液でも苦手だという方は、施設にその旨を伝えておいてください。

また、妻も血液が苦手な方はいらっしゃいます。へその緒を切るか、生まれてすぐに抱っこをするか、胎盤を見るかなど、どちらかが『無理かも知れない』と思えば、見えないように配慮してご自身の希望を叶えることはできるでしょう。

  • して欲しいこと、欲しくないことのライン引き

例えば、赤ちゃんが下りてくるとお尻の方に圧迫され、そこを押さえることによって苦痛が軽減する方もいらっしゃるのですが、どうしてもそこは触られたくない、と妻が感じれば、テニスボールを使用したり、腰をさするなど代替案を考えることです。

陣痛中にお尻にテニスボールを当てる女性

また、生まれる瞬間は会陰部を覗きこまないでほしいと感じる女性もいるかと思います。

  • 分娩中の妻に気配りを求めない

『前回の立ち合い分娩で、夫に酷いことを言ってしまったかもしれない。だけど必死だったのであまり覚えていない。また今回もしてしまわないか不安』と訴える経産婦さんがいらっしゃいました。

このように、出産中の女性は命がけで出産に挑んでいるので、普段の姿とは違うこともあります。酷いことを言われた方はもちろん傷つきますが、言ってしまった方も心の傷になっているのです。

影のあるハート

妻も、ご自身が変化するかも知れないこと、夫も妻が気遣える余裕がなくなることを、お互いに理解しておく必要があります。

練習は必要?

分娩中の過ごし方を練習することによって、夫婦ともに前向きに分娩をとらえることができます。

さらに夫婦の結束力を強めることができ、練習したという安心感や自信がリラックスを促し、安産への近道となるのです。

妊娠中の妻のお腹に手を当てる夫
  • 呼吸法

分娩期とは、陣痛と休憩の繰り返しです。陣痛中に深呼吸をして、痛みや緊張を逃す必要があります。

空気は鼻から吸って、口から吐きます。吐く息に意識を向け、できるだけ細く長く、シャボン玉を吹くようなイメージです。

間歇期と呼ばれる休憩の間は、普通の呼吸で大丈夫です。

分娩中の呼吸法
  • リラックス法

呼吸法と併せて、身体の力を抜く練習をしましょう。肩の力を抜く、眉間にしわができていないかでチェックすることができます。実は緊張している時に力を抜くことは難しいことなのです。

右腕、左腕、右足、左足・・・と、順番に力を抜く身体の部位を変えるトレーニングによって、さらにリラックスの感覚が掴めるでしょう。

そして、間歇期は思い切りだらんと力を抜いて休憩をしていただきたいのです。夫に身体を預けることで楽な姿勢をとることもできます。どの体勢がいいのか、ぜひ試してみてください。

  • 腰、お腹をさする練習

呼吸に合わせて痛む場所をさすることも産婦さんのリラックスにつながります。

コツは、吐く息に合わせて力を加えること。心地いいと感じる力加減など知っておくとスムーズでしょう。

また、分娩の進行によって痛む位置も変わってくるので、妻も『ここがいい』と言える練習を、夫もその言葉に従える練習をするのもいいかも知れません。

さいごに

いかがでしたでしょうか。

全てを取り入れるのは難しくても『できるかも』と感じたものから少しずつ実施してみてください。

きっとお腹の中の赤ちゃんも、パパとママが自分の誕生を楽しみに待ってくれていると通じるのではないでしょうか。

素敵な家族をつくる屋台骨は夫婦の絆です。

お互いに『この人と頑張ってよかった』と思える立ち合い分娩を経験されることを心より願っております。

ハートを作るひよこ

また、当助産院では大阪府高槻市にお住まいの方は、個別にも両親学級をご自宅で受けていただくことができます。

ご興味ある方はお気軽にお問い合わせください。