はじめに
『母乳は何分吸わせたらいいのですか?』
赤ちゃん訪問や産後の母乳外来でよくいただくご質問です。
母乳は赤ちゃんにとって完全食ですが、ミルクとは違ってどのくらい飲んでいるのか、目で見て確認できないのが難点です。
モヤモヤとした思いを抱えながら日々を過ごしていらっしゃるパパママ達もたくさんいらっしゃいます。

答えは、『人それぞれ』。
今回はどうしてそう言われるのか、一体自分の赤ちゃんに十分な栄養が行き渡っているのかのお話をしたいと思います。
何かのお役に立てれば幸いです。

どうして『人それぞれ』なのか?
大前提として、赤ちゃんもママも人間です。
蛇口をひねるといつでも出てくるものではありません。
母乳分泌には、ママの食べたもの、飲んだものが大きく影響し、ストレスや疲労でも変わってきます。
つまり、朝に起きて活動を始めると、午前中は分泌が良く、夕方くらいになると身体の疲労も影響して分泌が減りがちになります。
赤ちゃんにも飲みムラというものがあり、いつもいつも同じ量を飲む訳ではありません。
お昼寝のタイミングが上手く合わなかった時など、身体が疲れていて集中して飲むことも難しかったりもします。

このように、一日の中でも双方に『ムラ』が生じてしまうので、何分飲んだらOK、とは一概にお答えすることができないのです。
では次に、母乳が果たして足りているのか、を計る目安をお伝えします。
おしっこ・うんちの回数
おむつを替えた時、1日に6回以上、濡れている場合は哺乳量が足りていると考えてよいでしょう。
2回以上連続しておむつが乾いている時は不足しているかも知れません。
うんちもまた個人差が大きいですが、回数や量が減ったと感じるときは、哺乳量が少ない可能性があります。
大人と同様に、数日排便がなくてもケロッとしている赤ちゃんもいますし、1日出ないとお腹が張って機嫌が悪くなる赤ちゃんもいます。

できれば少なくとも1日に1回の排便があるのが理想です。

体重の増え方
赤ちゃんの体重の増え方は、月齢が上がっていくほど緩やかになります。
1~数か月のスパンでの体重の変化を、成長曲線と見比べてみてください。
赤ちゃんの曲線が、成長曲線と似たようなカーブで成長しているなら、ご安心ください。
成長曲線から外れていたとしても、カーブに沿っているなら問題ないかと思われますが、それでも不安になるお気持ちは分かります。
そんな気持ちは一人で抱えず、住んでいる自治体の保健センターや小児科、支援センターまたは助産院などで相談しましょう。

赤ちゃんのご機嫌
赤ちゃんは、おっぱいを飲んだ後は満足そうにしていますか?
哺乳不足は、数ある赤ちゃんがぐずる原因の一つになります。
なぜ泣いているのか、という理由探しはパパママ達の一日のタスクの大きな部分を占めていると思われますが、本当になかなか難しいものです。
おっぱいを飲んでから2-3時間後にまた欲しがる、という状態であれば足りていると考えられます。
月齢が上がると、間隔は開くこともあります。
そして、授乳直後も機嫌が悪いなら、ミルクを足すなどの対策が必要になってきます。

さいごに
母乳が足りているかどうかは、結局のところ、赤ちゃんをみて判断、ということになります。
母乳育児の大変なところは、足りているかどうかを自分で判断しないといけないところにあると思います。
その判断が合っているのか間違ってるのか、とっても不安になりますね。
しっかり赤ちゃんと向き合っている証拠です。
不安な気持ちは、一人で抱え込まないで、誰かに頼ってください。
『母乳が足りているか心配』だけの一言でも大丈夫です。
大事なことは、ママが安心して母乳をあげ続けられること。
応援しています。

